当院では、小児のCT検査において、可能な限り低線量で撮影するための様々な手段を講じています。具体的には、以下のような方法を採用しています。
1.低線量プロトコルの使用
a. 小児専用の撮影プロトコルを設定し、成人と同様の条件ではなく、体格や年齢に応じた最適な線量で撮影を行います。
b. 自動露出制御(AEC)や逐次近似画像再構成技術を活用し、必要最小限の線量で高品質な画像を取得します。
2.不要な撮影の回避
a. CT検査の適応を厳密に検討し、不要な撮影は行いません。
3.被ばく線量の管理
a. 小児の肺のCT検査における被ばく線量は、年齢や体重に応じて異なりますが、例えば5歳未満の子供の場合、CTDIvol(CT dose index volume)は約2.4~3.4 mGy、DLP(dose length product)は約50~70 mGy・cmです。
b. 被ばく線量は常にモニタリングされ、必要に応じて調整されます。
4.放射線防護
a. 検査部位以外のところには放射線があたらないようにプロテクターで遮蔽し撮影を行います。
<ご家族の皆様へ>
お子様の健康を守るために、CT検査が必要となる場合があります。CT検査は、体の内部を詳細に画像化するための重要な診断ツールです。しかし、放射線を使用するため、私たちは常にお子様の安全を最優先に考えています。
<安心して検査を受けていただくために>
私たちは、お子様の健康と安全を最優先に考え、最善の医療を提供することをお約束します。ご不明な点やご心配なことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
参考文献
・小児CTの新しい診断参考レベル Japan DRLs 2020
・Image Gentlyキャンペーン
・小児被ばくと線量の最適化